「丸山瓦全と佐野のお宝保護作戦!」(吉澤記念美術館)会期中のイベントとして、1月25日(土)に、講談師 旭堂南明(きょくどうなんめい)さんによる講談会「難波戦記発端 方広寺の鐘の巻」が行われました。
「丸山瓦全と佐野のお宝保護作戦!」は、足利の考古学者であり、栃木県の文化財保護に大きな功績を残した丸山瓦全(まるやまがぜん)が見出した、栃木県佐野市に関係する文化財を紹介する企画展となっています。木造エラスムス立像や天明鋳物研究など、数多くの功績を残した丸山瓦全は、幼少期を佐野の葛生で過ごしていたのだそう。この講談会の会場となった旧吉澤家住宅は、丸山瓦全が幼少期を過ごし、その後もよく訪れたといいます。
そんな丸山瓦全ゆかりの家で講談をしてくださったのは、旭堂南明さん(本名 天明留理子さん)。天明鋳物師ゆかりの講談師です。今回の演目は「難波戦記発端 方広寺の鐘の巻」。関ヶ原の合戦で勝利をあげた徳川家康が、豊臣家を滅亡へと追い込むために策を練った結果起こった、大坂の陣のきっかけともいわれる出来事、「方広寺鐘銘事件」を描いたもので、この「方広寺の鐘」の鋳造には39人の天明鋳物師が関わっていたとのことです。戦国時代の激動の歴史が見事に描写され、その巧みな話術に会場全体が引き込まれました。