外務省「地方視察ツアー」内で天明鋳物体験が行われました

11月18日~19日に、外務省の「地方視察ツアー」が行われました。佐野市をめぐり、佐野市の歴史や文化に触れていただくといったツアー内容で、そのツアープログラムのひとつとして、若林鋳造所が天明鋳物の講話・制作体験を行いました。
ツアーの参加者は13名で、アフリカ地域やヨーロッパ、南米地域の大使館関係者の方々でした。バスから降りてすぐに見える若林鋳造所の歴史あるたたずまいに、足を止め、さっそく写真撮影をしていました。
 
プログラム前半は、天明鋳物に関する講話が行われました。若林鋳造所の紹介が終わり、デモンストレーションとして、ツアー参加者の目の前で鋳物を作ります。型から鋳物を取り出すと、大きな歓声が上がりました。さらに、さきほど作った鋳物をもう一度熔かして、再び型に入れて鋳物にすると、感心したような声が広がりました。
パワーポイントを使用しての天明鋳物についての説明では、代表的な天命鋳物作品や天明鋳物を所有していた歴史上の人物についても紹介されました。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康が紹介されると、「ノブナガ!」と声が上がり、参加者はリラックスしながら講話に耳を傾けていました。
 
プログラム後半では、天明鋳物の制作体験が行われ、参加者は金属の皿を作りました。型紙を選んで、そこに金属を注ぎ込み、出来上がった皿をみがいて完成させます。参加者が用意された型紙のなかから好きな形の物を選ぶと、若林鋳造所の若林美延さんがそれを鋳型にセットして、金属を熔かします。今回使用した錫という金属は、比較的低い温度で熔ける金属で、参加者は目の前で熔かされた金属を型に注ぎ込みました。
金属が冷めて固まったら、美延さんが型から皿を取り出します。参加者が出来上がった皿を受け取ると、拍手が起こりました。参加者のひとりは「あたたかい!」と楽しそうに皿を触っていました。出来上がった皿は、まだ熱を持っているうちに切ったり曲げたりして形を整え、磨いていきます。参加者は自分が金属を注いで作った皿を、丁寧に丁寧に磨いていました。
 
プログラム内容をすべて終えたあとは、紙に包んで袋に入れて、世界に一つだけのお土産として梱包します。ツアー参加者は作った皿にどんなものを載せるのか考えながら、次のツアープログラム会場へ移動していきました。